近世の貴族たちの間で流行っていた野生動物の排泄物の香水 image by:public domain/wikimedia
においとは奇妙な感覚だ。 ドルチェアンドガッバーナの香水のせいだよ~ぐらいだったらまだ良いほうだ。
フランスの美術史家ユージーン・ヴィオレール・デュクは、かつてルイ15世の宮廷にいたお年を召したさる貴婦人が、人の排泄物で臭う廊下を歩きながら、”このにおいは古き良き時代を思い出させるわ!”と叫んだと書いている。
彼女が子供のころ過ごしたベルサイユの時代は過ぎ去ってしまったが、その懐かしい”におい”が彼女の記憶を再び呼び覚ましたのだ。
当時のヨーロッパは、今と比べると考えられないほど衛生感覚が欠如していた時代だった。屋外便所や肥溜めから漂ってくる悪臭は、かのご婦人の記憶を揺さぶる、忘れようにも忘れられない独特な”におい”の一部だったのた。
しかし、こうした悪臭を放つものは、糞尿をためる便器だけではなかった。
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Source: カラパイア