[INOUE1]利上げ迫る日銀、保有する70兆円のETFをどうするのか
日本銀行は推定約70兆円の上場投資信託(ETF)を保有している。数十年にわたるデフレとの闘いの置き土産だが、物価上昇が経済に浸透する中で、日銀は早ければ来週にも利上げに踏み切る見通しだ。
株式投資家にとって重要なのは、日銀がこの膨大な資産をいつどうするつもりなのかということだ。保有を減らすことは、日銀がその政策の最も極端な部分の一つを正常化することにつながる。
しかしこれは、34年かけ1989年末に付けた日経平均株価の過去最高値を更新した株式市場に対する信頼を損なうリスクもはらんでいる。
1. 選択肢は何か
極端な話、日銀は直ちにETFの売却を開始することができるが、日本経済が好転しつつあるデリケートな時期に市場に悪影響を与えることを考えると、あり得ないシナリオだ。
もう一方の極端な方法としては、買い増しをやめるだけで、今保有しているETFを無期限に保有し続けることもできる。ETFからの配当金は日銀の収入の大きな部分を占める。この両極端の間で、日銀は購入を停止し、何十年もかけて長く緩やかな売却を進めることも可能だ。これが最も広く予想されているシナリオだ。
専門家は、より創造的な解決策を数多く提示している。一つは、政府がETFを引き取り、日銀に永久債を発行して日銀のバランスシートから資産を移動させるというものだ。野村総合研究所のアナリスト、竹端克利氏によれば、政府はETFの一部を若年層に無償配賦(はいふ)し、証券保有率を高めることも可能だ。
日銀が香港での1998年の株式市場介入を模倣することも選択肢の一つだろう。外貨準備を用い政府が株式を購入し、保有株式をETFのような証券にプールし、流通市場に上場して処分した。ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストが2018年のリポートに記している。
また、タイミングを見計らって市場に売却する組織をつくったり、市場外で長期保有の機関投資家にオファーしたりすることもできると指摘した。
新NISA開設キャンペーンとして国民に配ってくれ〜
———
Source: 銃とバッジは置いていけ