国立がん研究センターと日本のバイオベンチャーが画期的な新薬を開発してしまう…骨肉腫(悪性のガン)を脂肪細胞に変えてしまう

2_02

0 :ハムスター速報 2021年2月5日 13:28 ID:hamusoku
骨肉腫を脂肪細胞へ変化させることに成功
-TNIK阻害薬活用による新規治療法開発への期待-

主に小児から青年期に大腿や膝関節周囲の骨に発生する悪性腫瘍である骨肉腫に対する新しい治療法の標的となる分子を発見しました。本研究グループはタンパク質リン酸化酵素のTNIK(TRAF2 and NCK-interacting protein kinase)が骨肉腫で高頻度に活性化しており、TNIKの阻害薬が骨肉腫細胞の増殖を抑制するのみならず腫瘍細胞を脂肪細胞に変化させることを、マウスを用いた動物実験で明らかにしました。

NCB-0846(注1)というTNIKを阻害する薬剤でも同じように遺伝子や代謝経路の切り替えが起こり、マウスに移植した骨肉腫を脂肪組織に変えてしまうことが明らかになりました(図1)。
薬剤で骨肉腫細胞を安全な脂肪細胞に体内で変換できることを示した初めての研究になります。

治療は今日でも困難で、5年生存率は20~30%にとどまっています。
また、骨肉腫は頻度が低い希少がんで、治療薬の開発が進んでいないのが現状です。
特定の分子を標的とした分子標的治療薬(注2)に有効なものはなく、多くの悪性腫瘍で効果が認められている新しい治療薬、免疫チェックポイント阻害薬(注3)も効果がないことが明らかになっています。

今回、本研究グループは化学療法が効かなかった患者では化学療法後に強くTNIKが発現していることも見出しています(図2)。
TNIKは、化学療法に抵抗性を示す「がん幹細胞」(注4)を誘導することが知られており、TNIKの発現が、化学療法が効かなかった原因となっていた可能性を示しています。

TNIK阻害薬を治療薬として実用化できれば、今まで治療効果がなかった多くの患者を助けることができ、骨肉腫の臨床に新たな局面がもたらされることが期待されます。

(注1)NCB-0846:国立がん研究センターとカルナバイオサイエンス株式会社が共同研究で
開発した低分子化合物。

(注2)分子標的治療薬:がん細胞に特有の分子をねらい撃ちすることで効果を示す薬剤。
高い効果と安全性が期待できる。

(注3)免疫チェックポイント阻害薬:がん細胞を攻撃する免疫細胞ががん細胞に結合でき
ないように邪魔をしている分子を阻害する薬剤。我が国で開発された「オプジーボ」などがある。

(注4)がん幹細胞:がんの「根元」のような細胞で、冬眠したような状態で長期間潜み続け
るため、化学療法で根絶できず、がんの再発の原因と考えられる。NCB-0846はがん
幹細胞を効果的に死滅させることがわかっている。

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0205/index.html

———

Source: ハムスター速報

国立がん研究センターと日本のバイオベンチャーが画期的な新薬を開発してしまう…骨肉腫(悪性のガン)を脂肪細胞に変えてしまう

話題の情報

インターネットクラスター
タイトルとURLをコピーしました